第11番 高室院 たかむろいん
高野山真言宗
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山599 tel.0736-56-2005
北条家の菩提所

弘法大師が高野山を開いた弘仁七(八一六)年から三百数十年後の鎌倉時代、村上天皇の血を引く房海僧正が創建した。小田原の北条氏と繋がりが深く、天正十八(一五九〇)年、秀吉に攻められて敗れた北条氏直公が一年間潜居していたため、小田原坊とも呼ばれる。寺の前の通りは小田原通といわれている。現在でも特に東京や横浜、湘南などと壇契が深い。戦国時代、高野山は大名がパトロンで、大名の紋が寺紋となっているところも多い。高室院の紋は北条家の三つ鱗で、僧の掛ける袈裟や堂の中に紋が見られるが、宿坊は現在檀徒でなくても宿泊できる。高野山では昔は参詣した人にどこから来たか聞いて、行く寺を指示していたという。

玄関に入ると左右に長い廊下が続き厳かな雰囲気。右にある本堂は明治二十一(一八八八)年の大火で類焼し、昭和五十九(一九八四)年の大師入定千百五十年御遠忌に鉄筋コンクリート寄棟造りで再建された。そのときに京仏師江里宗平師が造ったのが本尊薬師如来で、秘仏とされている。右手に御大師さんが安置され、奥に額の阿閦如来が祀られている。左手は護摩壇で不動尊とその使者の八大童子が祀られている。
元の本尊薬師如来は『紀伊續風土記』によると行基の真作と伝えられ、重要文化財のため現在は高野山霊宝館に収められている。寺宝として弘法大師御筆大威徳明王影・高野結界啓白文・十二天屏風・同制作帆揚不動尊(重文)もある。「真言宗では曼荼羅の中に東方浄土のお薬師さんの姿はない。その代わり阿閦如来さんが居られる。金堂の本尊は阿閦薬師合体仏です」と、斎藤天譽住職はいう。

明治になって高室院は隣接した大乗院、発光院、蓮上院を合併しており境内は広く、表門を入ると弘法大師像が出迎えてくれる。町の中央に位置し、大師が入定した御廟がある奥之院や高野山真言宗総本山金剛峯寺にも参詣し易く、買い物も便利な地にある。高野山には年間百二十万人ほど参詣するが、新緑や紅葉のシーズンは大混雑し、夏場は避暑地がわりにもなるが、厳冬期には零下十数度にも達し、それに伴い季節により参詣者数は激しく上下する。

ご朱印について
※開創三十周年スタンプは2022年12月末まで
高室院の情報
第11番 高室院 たかむろいん
高野山真言宗
住所
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山599
電話番号
0736-56-2005
拝観時間
9:00~17:00
拝観不可日
※本堂にて法要執行中は拝観不可
拝観料
無料 ※納経料により本堂拝観可
主な年中行事
薬師護摩 毎月8日
おすすめ撮影スポット
境内の庭より
門前情報
近くに車椅子用トイレあり
境内案内
■お薬師様…本堂 ★納経所
設備
駐車場
あり (無料)
お手洗い
あり
食事施設
なし
宿泊施設
あり
要予約
wifi
なし
アクセス
公共交通機関
南海電鉄高野線終点 ケーブルにて「高野山」駅よりバス、タクシーにて
自動車
国道24号より国道370号・480号を経由、約1時間
高室院のお知らせ
    高室院からのおしらせはありません。